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中嶋嶺雄氏スペシャル記事

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「鉄道が欲しい」

持続できる経済とは何か。非常に曖昧です。経済成長をGDPの成長だと捉えるとすれば、いまのアメリカのように燃料をたくさん使う国の経済が成長するというふうに定義せざるを得ません。しかし、世界百九十三のすべての国々が米国並みのエネルギーを使ったら、世界は破綻します。

日本人も「失われた二十年」から立ち直って経済成長まっしぐらに行くのがいいのか、内面的な豊かさを育みながらの経済成長が必要と考えるか、大きな分かれ道にきています。

アフリカの首脳たちはどうかというと、どんどん経済成長をしていきたいと考えていることがひしひしと伝わります。

アライアンス・フォーラム財団はTICAD5会議開催にあわせ、五月三十一日にAFDPアフリカ首脳経済人会議を開催します。五年前に開催されたTICAD4会議からアライアンス・フォーラム財団は参加し、今回もアライアンス・フォーラム財団が主催して、安倍総理、甘利内閣府大臣も出席され、財務省、外務省や経産省の後援もいただいて大きな会議を行います。

〇八年にはSADC(南部アフリカ開発共同体)の十五カ国に焦点を当て、外務省などに「この地域こそ発展する」と言いました。今回はCOMESA(東南部アフリカ市場共同体)です。COMESAとSADCの両方に所属している国もいくつかあり、その中心に位置しているのがザンビア共和国です。

現在でも十九カ国からなるCOMESA地域はアフリカ最大の自由貿易圏ですが、来年にはSADC、EAC(東アフリカ共同体)という二つの共同体ともFTA、関税同盟を結び、総数二十七カ国のアフリカ版TPPが完成します。そこで、私が招かれた去年のアフリカ首脳会議の場で、COMESAの十九カ国の首脳・事務総長らとお会いし、「一番欲しいものは何か」と聞くと、とにかく鉄道を造ってほしいという要請が多かった。

そこでAFDPアフリカ首脳経済人会議ではJR東海ほか鉄道会社や、そこに信号システムを収めている日本信号、客車や貨車を造っている日本車輛など、各社トップに参加をお願いしました。

アフリカから毎年最大三百人までの鉄道用員を十年間、訓練する受け入れ体制を準備中です。英語は使わず、日本語で教えます。三百人が十年で三千人。これだけ日本語ができる人間がアフリカにできますと、鉄道経営をやるには日本語は不可欠な言語になります。鉄道以外にも、食品加工、エネルギー、水処理、製薬などのトップに参加いただきます。

いかにして英語を学ぶかではなく、いかにして日本語を世界に広げるかを考えたほうが、グローバル人材を考えるうえでも有効でしょう。
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